EU AI法対応で初回商談前に必要な機能説明と用途確認

AI機能の確認範囲
機能と用途の切り分け
2026年5月28日時点で、EU AI法は2024年8月1日に発効しており、2026年8月2日からいよいよ本格適用が始まります。営業現場でものを言うのは、法律の細部ではありません。自社の商品やサービスにAI機能が入るかどうか、これを早めに切り分けることが先決です。
商談で営業が最初にやるべきは、顧客がどの利用場面を想定し、どんな説明資料を求めているのかを聞き出すこと。AIという言葉だけで進めず、機能、用途、提出資料に分けることで、見積後の確認戻りを減らせます。
| 確認項目 | 営業が見る理由 | 社内で渡す先 |
|---|---|---|
| AI機能の有無 | 対象範囲に入るかを見分けるため | 開発、品質、法務 |
| 利用場面の整理 | 見積条件と納期が変わるため | 品質、物流、法務 |
| 説明資料の期限 | 顧客への回答期限を決めるため | 営業、貿易事務 |
商談で戻りやすい説明
AI入りだけで済ませる危うさ
海外営業の現場では、顧客から急かされて価格だけ先に投げ返してしまう場面がよくあります。ところがAI機能の有無、利用場面、顧客に出す説明資料が後追いの確認になると、価格より先に社内確認で商談が止まる。価格が合っていても、後から資料や表示条件でつまずけば、相手の社内稟議も一緒に止まってしまうわけです。
営業が制度判断まで背負い込む必要はありません。ただ、確認が必要な論点を見落としたまま見積を出してしまうと、後になって価格、納期、責任範囲を一から説明し直すはめになります。
技術説明の不足
開発、品質、法務へ相談する時、商品名と国名だけでは話が前へ進みません。用途、最終販売国、顧客が求める資料、回答希望日まで揃えてから持ち込むと、確認の戻りがぐっと減ります。
営業担当はAI法の最終判断をしません。AI機能の有無、用途、顧客が求める説明資料を集め、開発、品質、法務へ渡す入口役に徹してください。
顧客への聞き方
最初の用途確認
顧客には「この商品やサービスにAI機能が入っていて、EU側で利用場面や説明資料を求められていますか」と率直に聞いてみましょう。相手があまり詳しくなさそうなら、最終用途、提出資料、希望納期を一つずつ切り分けて確かめます。
AI機能、利用場面、説明資料の期限を商談で分けて聞く。海外営業では、このひと手間が後で効いてきます。専門用語を長く説明するより、次に誰が何を確認するかを明確にします。
- AI機能の有無
- 利用場面の整理
- 説明資料の期限
- 未確認事項を見積条件に残す
- 専門部署の回答予定日を顧客へ伝える
見積条件の書き方
見積書には「規格、表示、認証、申請資料は別途確認」といった前提条件を必ず残しておきましょう。一見細かく見える一文ですが、後で条件変更が出た時にこの一行があるかないかで、こちらの説明のしやすさがまるで違います。
社内へ渡す確認メモ
開発と法務が見られる形
営業メモには、顧客名、対象商品、輸出先、最終用途、顧客が求めた資料、回答期限を項目別に切り分けて記載。文章でだらだら説明するより、確認済みと未確認を表にしてしまった方が話が早いです。
顧客への返事では、確認中の項目と回答予定日をセットにして伝えるのが鉄則。確認が必要な理由を一言添えておけば、相手も社内で「待つ理由」を上司に説明しやすくなるでしょう。
実務で引っかかりやすいのが、営業の表情や口調から不安が透けてしまうケース。「確認すべき項目を先回りで押さえました」という姿勢で伝えれば、顧客はむしろ安心してくれます。
社内へは、顧客が急いでいる背景も忘れずに添えてください。展示会前、入札前、既存仕入先の切り替え——理由が見えていれば、専門部署も優先順位を付けやすくなるはずです。
同じ商品でも、用途や販売国が変われば必要な資料はがらりと変わります。型番だけで突っ走らず、どこで誰が使うのかを必ず確認しておきましょう。
初回見積の段階では、価格、確認中の条件、確定予定日を切り分けて伝えると後々の整理が楽になります。新規顧客の場合はとくに要注意で、確定情報と仮置き情報を同じ文章に混ぜ込まないこと。相手の購買担当が上司へそのまま転送した時、どこが未確定なのか一目で見抜ける形にしておきます。
海外営業は制度名を暗記する仕事ではありません。顧客の質問を整理し、社内の専門部署が判断できる材料を揃える仕事です。専門部署への相談も、丸投げにせず、営業が聞き取った背景と顧客の希望納期を添えれば、回答の優先順位がきちんと付きます。
確認事項を短くシンプルに揃えておくほど、顧客も自社内で同じ言葉を使ってくれるようになる。結果として追加質問が減り、次の商談へすんなり進めるでしょう。商談後のメールでは、今日確認できたこと、次回までに確認すること、顧客にお願いすること——この三つに切り分けるだけで、海外案件の停滞は驚くほど減るものです。
- 対象商品と最終用途
- 輸出先または販売先の国
- 顧客が求める資料と期限
- 社内で回答責任を持つ部署
よくある質問
営業担当がAI法の適用判断まで行うべきですか?
いいえ、判断者ではなく確認の入口役と考えてください。AI機能、利用場面、提出資料、回答期限を集めて、開発、品質、法務へ渡すところまでが営業の守備範囲です。
AI機能かどうか分からない時はどうしますか?
無理に断定せず、商品説明、画面、データ利用、顧客の利用場面をそのまま社内へ渡しましょう。顧客には「確認中の項目と回答予定日」を伝えておく方が、後々のトラブルを避けられます。
参考情報
参考: European Commission, AI Act
最終確認日: 2026年5月28日
関連記事
近いテーマを続けて確認したい方は、次の記事も参考になります。





