では、ここからは、海外取引先の新規開拓の具体的なやり方に進んで参りましょう!
バイヤーは商品を探そうとする時にインターネットを活用します。前項でもご説明した通りの場所・方法で、あなたへとつながる情報を検索しているのです。しかしながら、日本の熱心な「輸入ビジネス」の実践者がインターネットを活用し、世界中の商品を開拓している事実に対して、「輸出ビジネス」を行おうとする人は、意外とインターネットを活用できていないのが実態です。その理由は、海外営業・輸出ビジネスへのインターネット活用は、「語学力」+「インターネット知識」を体系化したノウハウがなければ実践できないものだからです。
中小企業にとって外国での販売活動、自社商品の海外でのPR活動は容易ではありません。いきなり現地に飛び込んだところで、どうなるものでもありません。経費を削減するためにも、下調べはもちろん、販路拡大にも新商品の開拓でも、国内からインターネットをフルに活用することが重要になります。
2026年現在、ChatGPTやDeepLの登場によって翻訳・コンテンツ作成の敷居は大きく下がりました。しかし、AIツールで手軽に英語ページが作れるようになった分、コンテンツの品質と信頼性で差がつく時代になった、とも言えます。ようやく英語版のホームページを立ち上げると、今度はAI検索エンジンも含めた熾烈な情報競争に巻き込まれることになります。適切な予算管理と質の高いコンテンツ戦略がなければ、成約率が低いまま無駄に費用ばかりかかるという結果に陥りかねません。
直訳で翻訳されたホームページは洗練されていない印象を与えます。また、検索キーワードという側面から見ても大変不利になってしまいます。業界用語・専門用語も交えた上で、現地で使われている語句・一般的な言葉を使いましょう。2026年現在、ChatGPTやGeminiを使って「このフレーズは現地のバイヤーが実際に使う表現か?」と確認する方法も有効です。ただし、AIが生成した文章は必ずネイティブの業界関係者にチェックを依頼し、不自然な表現を修正することを強くお勧めします。
翻訳業者や現地人であっても商品・サービスについて知らない人が書いた文章は、おかしな言い回し・不細工な文章になっていることがあります。自社の商品・サービスに詳しい人物が、後でご説明するキーワードを意識した原稿を、母国語で、しかも自然な文章で作成しなければなりません。AIによる翻訳と、ネイティブによるチェックを組み合わせることで、コストを抑えながら品質を担保できます。
イスラム教諸国への豚の絵を使ったページの配信、偶像・足裏の写真などはタブーです。また、中国向けサイトで当局が規制しているキーワードの利用は避けるべきです。2025年以降は、EU全域でAI規制法(EU AI Act)やデータプライバシー規制(GDPR)が本格施行されており、欧州向けサイトではプライバシーポリシーの整備とCookieへの同意取得が必須となっています。各国・地域の規制を最新情報で確認する習慣を持ちましょう。
かつては「通信事情の悪い国への配慮」が主な理由でしたが、2026年現在、Googleの検索アルゴリズムはCore Web Vitals(ページの表示速度・安定性・操作性)を重要な評価指標としています。スマートフォンからのアクセスが世界的に主流となった今、モバイルファーストのページ設計は海外向けサイトの絶対条件です。動画コンテンツは商品の魅力を伝える有力な手段ですが、自動再生や過度なアニメーションはページ速度を落とすため、YouTubeなどの外部プラットフォームに動画を置いて埋め込む形式が望ましいでしょう。
アメリカ・グローバル:Google、ChatGPT Search、Perplexity、Microsoft Bing(Copilot)
中国:百度(Baidu)、WeChat Search、Douyin(TikTok)
韓国:NAVER、Google
ロシア:Yandex(※国際展開は制限あり)
中東・インド:Google、YouTube
東南アジア:Google、TikTok Search
※2026年現在、AI搭載の検索ツール(ChatGPT Search・Perplexity等)が急速に普及しており、従来の検索エンジンSEOに加えて、AIに正確に認識・引用される「AEO(Answer Engine Optimization)」の視点がホームページ作成に不可欠になっています。
検索エンジンがインターネットの主要な窓口であることに世界各国で変わりはありませんが、2026年現在、AI検索ツールがその役割を急速に補完・代替しつつあります。バイヤーがChatGPTやPerplexityに「日本の○○メーカーを紹介して」と入力した際に、貴社が候補として挙がるかどうかは、Web上の英語情報の質と量に大きく依存しています。
英語版ホームページにおいても、適切なキーワードを使用することにより、検索エンジンの検索結果から訪問者を呼び込む仕掛けの重要性に変わりはありません。さらに、AI検索への対応として、「Q&A形式のコンテンツ」「明確な会社概要・商品説明」「第三者からの引用・評価」をページ内に盛り込むことが有効です。ここでは海外営業を知る者にしかできない、英語キーワードの最適化とAI検索対応に焦点を当てて解説して参ります。
ホームページのソースを見ますと、上部に「<title>ホームページのタイトル</title>」というタグがあるはずです。これはブラウザ上や検索エンジン上で表示されるホームページのタイトルを決定するタグで、そのページが何について書かれているかが判断される重要な部分になります。ここに検索エンジンで結果として引っかかって欲しいキーワードを埋め込みます。
最初の段階から十分に検討をされることをお勧めいたします。このホームページのタイトル、および「<h1>」見出しタグ内に書かれるキーワードが主に検索結果として表示されることになるからです。加えて2026年現在、メタディスクリプション(ページの説明文)もAI検索ツールがサイト内容を把握する重要な手がかりとなっており、「この会社は何を、どの国に向けて、どのような品質で販売しているのか」が一目でわかる説明文を英語で整備することが有効です。
大切なことは、キーワードは一語である必要はなく、文章であっても構わないということです。よくブラウザにブックマーク登録をしようとすると、長いタイトルがついてくる時がありますよね? 文章でキーワードを詰め込んでいるからです。
では、バイヤーが好んで使うキーワードにはどのようなものがあるのでしょうか?
検索ツールの取り扱いに慣れてくると、GoogleやAI検索の入力欄に2~3の複数のキーワードを入れて検索をすることが増えてきます。より検索結果を絞り込み、結果の精度を高めるためです。では、各国のバイヤーはどのように情報を絞り込むのでしょうか?
あなたの会社名⇒業態⇒自国名 or 都市名
あなたの会社を既に知っていて、更に詳しくあなたの情報を取ろうとしている人が使うキーワードパターンです。既にあなたを知っているということになり、大きなビジネスチャンスです。
あなたの商品名⇒特徴⇒検索条件 or 出会いの場所
あなたの商品をどこかで見つけ、あなたの会社を探している時にあるキーワードパターンです。特徴の入力がある場合は、直接メーカーから買う意思がなく、商品を取り扱っている商社を探し出そうとしている場合があります。
なお、2026年現在のAI検索では、「best Japanese [商品カテゴリ] manufacturer for import」「reliable Japanese supplier [商品名]」のような自然言語での検索が増えています。商品ページに「よくある質問(FAQ)」形式でこれらの質問と回答を英語で掲載しておくと、AI検索に引用されやすくなります。
集合名詞⇒商品の特徴 or 形状⇒検索条件 or 出会いの場所
漠然と専門分野の商品を探している、まだ候補の商品や会社が見つかっていない場合のキーワードパターンです。
商品名そのものではなく、靴・カバン・○○の機械・○○部品・アクセサリー・プログラムなどの商品グループ・カテゴリーを指定してくるパターンです。貴社商品のカテゴリーも、ホームページ内にキーワードとして埋め込んでおきましょう。
あなたの顧客が持っている問題点⇒解決方法⇒解決条件
例えばバイヤーの専門分野が自動車のアクセサリーで、車内の消臭グッズを探したいと思っていると仮定します。あなたならどのようなキーワードを用いて検索しますか?
まず、前述のパターン、つまり商品の特徴での検索が考えられます。
一方、解決方法や問題点そのものを入力するバイヤーも大勢います。
貴社の商品が解決できる問題をたくさん書き出してみましょう。それを適切な英語にし、解決方法・Q&A(TIPS)などのページに埋め込みます。固有名詞や専門用語もたくさん使うとよいでしょう。解決方法キーワードには「tips」「solution」「tools」「cure」「how-to-solve」「know-how」「guide」「instruction」「supplement」が使えます。また、「sustainable」「eco-friendly」「carbon neutral」といったサステナビリティ関連キーワードも、2026年現在の欧州・北米バイヤーには非常に有効です。また、日本製を指す「made-in-Japan」や「Japanese」などの言葉も多く用いられます。伝統工芸品の産地も検索キーワードとしてはヒットし易くなりますので、貴社の商品によっては、産地・県庁所在地・新幹線の駅名なども含ませたページを作るとよいでしょう。
様々なルートから貴社の情報・ホームページに辿り着いたバイヤーは、まずは貴社の商品情報・会社案内情報などを見ることになります。相手の立場に立った情報提供を行うことで、バイヤーのアプローチをスムーズに呼び込むことができるようになります。
輸入を試みるバイヤーは「安全性」を無意識に求めています。貴社の商品を査定しながら、会社情報を見ながら、”自分にとって安全な存在なのか”を確認しているのです。国際対応が可能な企業なのか、貴社が親切に対応してくれそうな会社か、そして、長期的に安定した取引が可能な会社であるかどうかが見られています。
2026年現在、バイヤーはホームページだけでなく、LinkedInの企業ページ・Googleビジネスプロフィールのレビュー・業界団体への加盟状況・ISO等の認証情報など、複数の外部ソースで貴社を「クロスチェック」することが当たり前になっています。ホームページの情報とSNSの情報が一致していない会社は、それだけで信頼を失うリスクがあります。
また、バイヤーは貴社の競合他社も同時に調べ、貴社と比較しています。大きな会社の安定度や知名度を求めることと同時に、日本の小さな会社が比較的行動力や柔軟性に富んでいることを知っているからです。「待ち・引き」の営業には、会社のキャラクターをにじませ、商品を十分に説明し、そして、リスクを取りたくないバイヤーを安心させる、積極的な情報提供が求められるのです。
ホームページからのコンタクトが取りにくい会社、メールアドレスが示されていない会社、電話番号が書いていない会社は、今もよく見かけます。外国から初めて取引をしようと考えているバイヤーにとって、一緒に問題を乗り越えようという意識が低い会社は、まず避けられてしまうでしょう。メール・LinkedInメッセージ・WhatsApp・問い合わせフォームなど、連絡窓口をなるべく広くしておくことが大切です。
そして、バイヤーによっては、このアプローチの段階で、既に自国のマーケット調査を終えている人もいれば、ある程度メーカーと情報交換をしてから自国のニーズの調査をする人もいます。どちらの場合であっても、アプリケーション情報の提供を求められることが多くなります。この「その商品は誰がどこで何のために使うのか?」という情報は、前述のキーワード検索においても重要な情報になります。会社側の想定ユーザーや実例資料を商品別に必ず準備をしておきましょう。
もう1つ、ホームページからコンタクトを募る場合には、事前にある程度の質問に答えてもらうようにしましょう。競合他社のスパイ活動や、ただの売り込みなどを排除するためです。以下にその質問の例を示しますので、ご参考になさってください。
こちらも手間暇かけてホームページを作り込み、コミュニケーション・情報提供を行いますので、バイヤーにもプロフェッショナルな姿勢であってもらいたい、そんな意志を示すためにも事前質問は重要です。回答を面倒くさがるバイヤーはアプローチをしてきませんが、そのようなバイヤーは例えリッチな企業であったとしても、後々トラブルを起こすことになりかねません。
また、多くのプロバイヤーは、「参入障壁が高いもの」しかし「自分には出来るもの」がよいと考えており、エクスクルーシブ(独占)での契約を望んでいます。バイヤーは「独占にしてくれた方がメリットが大きい」「価格競争になれば誰もあなたの商品を本気で売らなくなる」と揺さぶってきますが、貴社の戦略に沿って代理店やパートナーを募集しましょう。さらに、日本企業の商品は価格が高いので、付加価値やサービスのよさ・品質のよさで、結局はコストが安くなるというロジックを十分に説明しましょう。「何で中国製とこんなに値段が違うのだ!?」は海外バイヤーのお得意の論法です。挑発に乗らない、ハッタリに動揺しないように交渉をして下さい。
さて、ここまでは、ホームページを海外営業に使うために必要なコンテンツについてご説明して参りました。ここでは、もう少しテクニカルな方法を用い、貴社のホームページの内容を、バイヤーを魅了するキラーコンテンツに仕上げるためのチェック項目リストを公開致します。
続いて、展示会出展をしてみましょう!
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