海外で、特に東南アジア・中国にて自社製品を販売する場合、知的財産保護活動・模倣品対策は欠かせません。知的財産権の侵害問題が大きくなるにつれ、政府機関や民間団体・業界を超えた企業間で連携しつつ、情報交換を行うことの重要性が増しています。
2026年現在、越境ECの爆発的な普及により、模倣品の流通ルートはアリエクスプレス・Temu・Sheinなどのオンラインプラットフォームを通じて世界中に拡散するスピードが格段に上がっています。模倣品対策は「リアルな現場」だけでなく「デジタル空間」での監視・対応が不可欠な時代になっています。
しかしながら、中小零細企業においては、知的財産保護活動は専任の担当者がいないばかりか、有名税的な捉え方からその重要性さえ認識されていないのが実態であり、経営層からの意識改革・啓蒙活動が急務になっています。事が起きてから対応するのでは遅いのです。事前に備えをすることが何よりも重要な知的財産権問題。競合関係を超えて連携し、コストを最小限に抑えつつ継続的な調査活動を行い、最新の正確な情報を収集して下さい。
模倣品対策に望む企業にとって大切なこと、それは「事前の備え」です。つまり、十分に自社の権利を確立・確保しておかないとクレーム自体起こすことができないのです。商標権の登録もせず「真似された!」と激怒しても仕方ありません。まずは、自社の権利、各登録をしっかりと行いましょう。そして、模倣品被害に遭遇してしまったら、毅然とした態度で臨む、模倣行為は許さないと積極的に対応していくことが大切になります。
2026年現在、商標・意匠・特許の登録は、進出予定国だけでなく、模倣品の生産拠点・流通拠点となりうる国への「先回り登録」が有効な防衛策です。特に中国・東南アジア・中東では、現地で先に商標を登録されてしまう「商標ハイジャック」の被害が後を絶ちません。海外展開を検討し始めた段階で、弁理士への相談を強くお勧めします。
模倣品の多くは中国からやって来ます。製品によってその生産地は様々です。中国の模倣品生産基地は、浙江省・広東省・福建省・山東省・江蘇省・上海市・慈渓市・義烏市・紹興市・永康市・温州市など広範囲に渡ります。そして中国国内・中近東・東南アジア・南米向けに大量に出荷されています。模倣品業者はサンプルなどを持ち込めば数日・数週間であっという間に模倣品を製造し、デリバリーをしてくれます。まともに製造している日本企業から言えば信じられないスピード・コストです。オーダーメイドで模倣品を製造するようですが、半完成品や材料の在庫を抱えているものと推測されます。
また、図々しくも中国本土・東南アジアでの展示会に、偽物が堂々と展示されていることもあります。そして、本物の製造メーカーのカタログや製品の情報をも展示会場で堂々と収集しているのです。模倣品業者は複数のカタログを準備し、訪問してくる相手によって配布する情報を変えてしまいます。さらに、ホームページはパスワード制御や隠しページなどでガードされており、写真もモザイク加工が施されていたりして抜け目がありません。
2026年現在、模倣品業者はSNS・メッセージアプリ(WeChat・WhatsApp等)・ダークウェブを通じた販売網を構築しており、オンライン上での模倣品流通の監視・摘発には専門の知財調査会社やプラットフォーム事業者との連携が不可欠になっています。
中国での知的財産権保護の大きな特徴として、「商品の外観」は不正競争防止法の対象外となる(パッケージの類似・ラベルの類似は対象)ということがあります。製品は外観がそっくりでもOKということです。つまり形態模倣は不正競争防止法では取り締まれないので、きちんと意匠登録をした上、知的創作物についての権利侵害ということで専利法に基づいて争うしかないのです。
また、憎い模倣品業者は警察に突き出してやりたいところですが、仮に商標権を侵害されたとしても、被害金額が数万元~数十万元以上(模倣品の価格で)にならないと刑事事件にできないというルールが存在し、その裏をかいて、業者は生産地・工場を分散化させ、名義を変え、被害金額を分散化させています。日本の中小企業は泣き寝入りになることが多いのです。また、ブランドの一文字変えの類似商標侵害の場合は刑事罰は無く、これまた泣き寝入りです。まだまだ規定が甘い・処罰が軽い、そして地方保護主義が蔓延っているため、日本企業同士・ジェトロや政府機関と連携して戦うのが一番です。個別調査・活動ではとうてい太刀打ちできません。
まず、模倣品対策の基本は地道な調査です。調査も一度ではなく、怪しい業者や地域・一度取り締まった会社も再調査する。そのような地道な活動が原則になります。権利侵害の確認・犯人(企業)の特定・証拠集め、地道に繰り返します。
2026年現在、AIを活用した商標・意匠の類似検索ツールや、越境ECプラットフォーム上の模倣品自動検知サービスが普及しつつあります。デジタルツールと人的調査を組み合わせた「ハイブリッド監視体制」の構築が、中小企業にとっても現実的な選択肢になっています。
商標権侵害・反不正当競争法違反
※ 反不正当競争法とは日本で言う不当競争防止法
製品・成分・原産地表示違反
模倣品の海外輸出を止める
※ 日本で言う税関
特許・意匠権侵害
※ 日本で言う特許庁
偽物業者を投獄・罰金刑に
損害賠償を請求
偽物業者を訪問するなどの例もある。OEMさせてくれ、などの不届き者も。。。
2026年現在、中国国内の知財保護の法制度は整備が進んでおり、中国国家知識産権局(CNIPA)への権利登録と、プラットフォーム事業者(アリババ・JD.com等)の知財保護プログラムへの登録を組み合わせることで、模倣品の迅速な削除・販売停止を実現できるケースが増えています。「戦わない」ことが模倣品業者を増長させます。権利を持ち、行使し続ける姿勢こそが最大の抑止力です。
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