リスクマネージメントとは何かと考えた時、日本では一般的に危機管理と思われがちですが、実際はそう単純なものではなく、以下のようにいくつかに分類されます。
ここでは海外営業の業務を遂行する上で直面するリスク、その対策について述べてみたいと思います。日本国内の営業活動と違い、海外営業のリスクは数倍も多く、またその強度も大きくなります。事前の情報と万全の対策が大きな結果の差を齎す事は間違いありません。
海外営業リスクの特徴として、日本でのリスクにプラスして起こるリスク、海賊、戦争、内乱、暴動などが挙げられます。日本のリスクとその質が違い、政治、経済、宗教、分化、格差、地勢、法律、天候、環境に、根の深い、常識では対策の難しいリスクが多数存在しています。
リスクマネージメントについて考える時、第一段階としてリスクの洗い出しを行います。海外の場合、その対象地域によってリスクが大きく異なります。細分化して洗い出しします。
リスクマネージメントの第一歩は洗い出し作業です。その後に、頻度、強度別に分類して整理します。
各地を短期で転々とする、長期滞在、駐在、何れも健康問題とは無縁ではありません。身近な問題は持病の悪化。短期出張組には、長時間の飛行機による腰痛やエコノミークラス症候群、ウォシュレットのない環境での痔の悪化などが目立ちます。また、駐在、長期滞在組には、疾病などだけでなく、慣れない環境での仕事、家庭の問題やストレスに起因する心身症、うつ病にかかる人も見られます。本人だけでなく周囲からのケアが大切です。
長期で家を空ける出張員、家族で移住する駐在員とって、家族を大切にすること、子女の教育は極めて重要な問題です。日本人学校にするのか、現地の学校にするのか、言葉の教育は、子供の将来・人間形成への影響はどうなるのか、日本との教育格差はどのくらいなのか、住む場所はどうするのか、考え出せば不安は尽きません。
テロを始めとして急激な国際情勢の変化が起こる近年、安全対策は海外営業に従事する人々、送り出す企業にとって欠かせない仕事の一つになりました。そんなこと起こるわけないとタカを括るのは危険です。冷戦の終結による民族、宗教問題の高揚、イスラム原理主義テロ組織の台頭、チェチェン、コソボ独立問題、アフガニスタン内戦、反米、反日、反中活動、貧富格差、中東和平停滞、リスクは無限に存在します。
海外営業に付き物の転勤や長期出張。自分の社会保険はどうなってしまうのか?将来の年金が減ってしまうことがないように、万全の準備、制度の理解が不可欠です。出て行く人、送り出す人、双方が制度をきちんと理解し納得していない場合、後で取り返しのつかないことになりかねません。企業も人道的にその社員の損失分の負担をしなければなりません。
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