海外営業職には様々なスタイルがあり、求められる能力も資質も高レベルになっています。転職、就職で海外営業を目指される方は、どのような海外営業職に就きたいのかのイメージを持つ事が大切になります。様々なスキルを要求される海外営業職、貿易事務職への転職は「経験値」が要求される場合が多く、未経験者の転職は依然厳しい状態が続いておりますが、20代後半までであれば育成枠での採用を始める中小企業も徐々に増え始めています。
一般的に、中小企業で海外営業に携わる人の年齢層は高めです。大企業の海外拠点に赴任している未来の役員、社長、部長方をゴルフ接待したり、営業的にも国内での経験が問われることが多いからです。その他にも色々な事情や、意外な事実があるものです。英語を使いこなし、ノートパソコンと携帯を持ち世界を股にかけ飛びまわる、国際会議でプレゼン、海外営業に対してそんなイメージを持つ人が少なくない中、その実態は極めて地味な、きつい仕事であり、スマートなイメージを持っていた人はショックを受けてしまうことがあります。
例えば華僑ビジネス。食事をし、のんびりと話をし、お酒を飲み、ほんの少しの仕事時間では、価格が高い、高い、と交渉され、こんなの仕事じゃないよ、と感じてしまう人も少なくありません。
そして、海外営業職には意識の高い、セルフイメージの高い人が集まってきます。比較的裕福な家庭に育ち、時間とお金を投資し語学を学び、貿易の実務を積み、留学経験のある人も大勢います。そのような人は比較的自分に自信を持ち、他人からの助言を受け入れ難い傾向があります。悪く言えばワガママであったり、自己愛性人格障害者であったりするのです。
留学経験や海外在住経験のある人、自分の能力に自信を持っている人は、環境を変えることに対して抵抗感がない場合も多く、希望の会社に就職したとしても「自分を変えるか」、「環境を変えるか」、という選択肢の中で、比較的容易に転職の道を選ぶ傾向があります。よって、海外営業職、海外営業事務職の人材は流動化し、20代の転職機会はそれなりにあるものの、企業側から見れば「ベテランが育たない」、「育てても出て行ってしまう」という事情から、経験者採用への偏りや、担当者の高齢化、固定化という悪循環に陥っていることは否めません。
会社によって違うスタイルや仕事の幅。意外と見えていない自分の「部分的なキャリア」。既に海外営業職をご経験されている方でも、意外と見えていないのが会社によって違う営業です。大企業で部分的な仕事だけをしてきた方、大企業の下請けとして海外営業をしてきた方、製造業で代理店営業をされてきた方、または、営業スタイルの違いで、出張中心だった方、書類作成業務中心だった方など、その経験、キャリアは全く違う仕事と言えるほど別物です。転職を目指す会社の営業スタイルがどのようなものか、事前にしっかりチェックが必要です。
自分のこれまでのキャリアと同スタイルである場合、転職に成功する確率は高まります。その後に、能力、知識、人間性が問われることになります。それはどのような面接でも同じ事です。皆様が企業経営者なら、どのような人を採用したいですか?どれも大事ですが、特に重視するポイントは何でしょうか?一般論ですが、以下も参考にして下さい。
「語学を活かしたい」、「英語を使った仕事がしたい」、面接時にほぼ必ず出てくるセリフです。それ以外にアピールできるポイントはありませんか?やりたいことは趣味でやるものですよ!
未経験者採用と言えば、海外営業の面接の現場で、就業志望者から必ず出る言葉として、「語学を活かしたい」、「英語を使った仕事がしたい」、「英語でのコミュニケーション能力を活かし云々」等々。面接官は「またこれか・・・」と感じるくらい一般的。前述の海外営業のタイプにもより、どれだけ語学が活かせるか、などは様々なのです。海外営業=語学、語学=コミュニケーション力、と短絡的に考える人が多いのですが、それは実は全くの誤解なのです。一例として、語学力とコミュニケーション力は全く違う能力です。
言葉はあくまでも手段であるため、海外営業職に就くならば外国語はできて当然。企業は「それ以外の何か」を求めています。語学プラスワン、やはり前述の求められる能力、知識のどれかが該当するでしょう。プラスワンがまだ自分に無い場合、プラスワンが必要である事を認識している旨を伝え、そのために何かの努力をしており、いつまでにそれが手に入る予定である、とういことを伝えましょう。予定もキャリアのひとつのような顔をしてしまいましょう。
海外営業は、多くの場合、国内での営業と比べ厳しい価格競争に巻き込まれます。特に中小企業ではコストを抑える為にも即戦力が求められ、ポテンシャル育成をという空気にはなりません。育成枠で採用されたとしても猛スピードで成長を要求されます。人間関係において、最初に悪いレッテルを貼られるとそのイメージを覆すには大変な努力が必要になります。試用期間で「不適格」、「できない奴」レッテルを貼られないよう、入社が決まったら飛行機の離陸が如く全力で走り一気に加速し、空気抵抗の少ない上空で気流に乗るまで直走るべきでしょう。
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