食品の産地偽装、賞味期限改ざん等、モラルハザードが大きなニュースになっています。牛肉から始まり、和菓子、ウナギまで納まる気配がありません。人体に有害なものから、そうでもないもの、様々ありますが、利益優先で消費者を無視してきたことに変わりはありません。
明らかに人間に害を与えたモノもありました。中国産食品の残留農薬や添加物、玩具や調理器具、歯磨き粉から検出された有害物質などです。このような話は論外としても、法律を守ることと、国際競争、環境対策コスト等との兼ね合い、日本製の信用力と海外生産品の価格競争力、売れるモノと求められるモノの違いに日本の中小製造メーカーは苦慮しています。
法令順守、最近ではコンプライアンスという言葉をよく耳にします。コンプライアンスの語源は comply with another’s wish (他の人々の願いに応える)と言われており、他の人々の期待に応えることであるとされています。法に触れていないのだからいいじゃないかの枠を超え、人々の願いに適う活動、精神を求めた言葉と言うことができます。では、海外営業にポイントを絞った場合、つまり、日本からモノ、技術、サービスを海外に輸出し、その販売を行なう場合、コンプライアンス目線からの人々の願いとは何でしょうか?
各国の規制を守り、文化を尊重し、消費者の信頼を裏切らないこと、そして社会(世界)に貢献すること、海外営業部門のコンプライアンスの原点です。そして最近では、その輸出、販売プロセスにおけるコンプライアンス、輸出管理体制が益々厳しく問われるようになりました。輸出管理とは、一部の貨物、技術の輸出について、経済産業省で事前に許可・承認を得た上で、輸出手続を行うことです。この輸出管理は貿易コンプライアンスとも言われ、この重要性を正しく認識せず、輸出許可が必要であるにも関わらず無許可で輸出をした場合には、法律に基づき刑事罰や輸出禁止などの行政制裁が課せられ、ブランド崩壊、信用低下を招き、企業価値に大きな損害を被ることになります。シンガポールの子会社などから迂回輸出をしても同じことです。大企業であれ、中小企業であれ、コンプライアンス、リスクマネージメント専門部署が在ろうが無かろうが、守るべき海外営業のコンプライアンス、それが輸出管理なのです。
海外営業パーソンが必ず知らなければならない知識が安全保障貿易管理制度。自分の経済活動の結果が平和を脅かす。そんなことがあってはなりません。輸出管理とは、海外営業・貿易部門などが整備すべき自主管理体制のことを意味しています。簡潔に言えば、大量破壊兵器(核兵器や化学兵器など)の開発に転用できる製品、技術の輸出を管理する体制の事です。制度の名称は安全保障貿易管理制度と言い、経済産業省が管轄しています。
大元になる法律は外国為替及び外国貿易法(通称:外為法)です。規制対象は、貨物と役務があり、それぞれ、貨物=48条(輸出貿易管理令)、役務=25条(外国為替令)によって規制されています。その輸出貿易管理令と外国為替令のそれぞれに、リスト規制とキャッチオール規制があります。(他にも関連する省令や通達等(おそれ省令・おそれ告示等)が存在しますが、ここでは詳しいご説明は省略します。)
日本はアメリカの同盟国として、アメリカ版輸出管理であるExportAdministrationRegulations(EAR)への対応を求められる場合があります。原則的には、輸出企業がコンプライアンスの一環として自主的に行なうものですが、EAR規制に基づく輸出許可取得等の手続きを行わずに第三国に対象品目を輸出してしまった場合の不利益(違反者リストへの掲載)を避けるためにも、必要最低限の確認だけは行なっておきましょう。
それらは全て間違いです。内部統制・コンプライアンス体制を整えましょう!日本人が魂を込めて作り、売った製品が日本を狙う核ミサイルとなり、世界に拡散する、、そんな悲劇を起こしてはなりません。
経済産業省は、今般、外国為替及び外国貿易法に基づく北朝鮮に係る対応措置について(平成21年6月16日閣議決定)に基づき、輸出貿易管理令等の改正により北朝鮮を仕向地とするすべての品目の輸出を禁止する等の措置を講ずることとしました。海外からの迂回、間接的な流出を含めて、全て問題となる可能性があります。輸出企業は更に気をつけて管理をするようにしてください。また、輸出管理関連の政令は度々更新が行われます。規制対象品目リストの改正についての最新情報は、経済産業省、まはたCISTECにご確認ください。
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