インコタームズとは国際商工会議所(ICC)が定めた貿易取引条件で、輸出入当事者の商習慣や用語等の解釈の違いにより誤解が生じないよう取り決められた国際規則で、現状ではFOB、C&F、CIFが最も多く利用されています。しかしながら、時代の移り変わりと共に、定期船の多くがコンテナ化してきていることから、従来の在来船を対象にした取引条件FOB・C&F(CFR)・CIFから、新しくFCA、CPT、CIPが定められ移行しています。
2026年現在、インコタームズは2020年版(Incoterms® 2020)が最新の規則として適用されています。改訂によりCIPの保険条件が強化されるなど実務上の変更点があります。契約書にインコタームズを記載する際は、必ず適用バージョンを明記する(例:FOB Shanghai Incoterms® 2020)習慣を持ちましょう。
輸出通関は売主が行いますが、指定された場所(CYやCFS)や買主によって指定された運送人に物品を引渡した時点で費用負担と危険負担は移転します。引渡しが売主の施設で行われる場合には売主は積込みの責任を負います。引渡しが他の場所で行われる場合には売主は荷おろしの責任は負いません。
なお、Incoterms® 2020では、FCA条件において買主が船荷証券(B/L)の発行を必要とする場合、船積み後に売主がB/Lを入手できるよう買主が運送人に指示するという新たなオプションが追加されました。信用状(L/C)決済を利用する場合には特に注意が必要です。
指定仕向地まで輸送するために必要な運送費込みの運送人渡条件です。輸出通関は売主が行います。危険負担はFCA同様、売主指定の運送人に物品を引渡した時点で移転します。物品の引渡し以後は、一切の危険と発生する費用を買主が負担することとなります。
指定仕向地まで輸送するために必要な運送費・保険料込みの運送人渡条件です。輸出通関は売主が行います。危険負担はFCA同様、売主指定の運送人に物品を引渡した時点で移転します。物品の引渡し以後は、一切の危険と発生する費用を買主が負担することとなります。
Incoterms® 2020では、CIPの保険条件がCIFよりも手厚い協会貨物約款(A)相当以上の保険付保が売主に義務付けられるよう強化されました。CIPを使用する際は、保険条件の内容を取引先と事前に明確に確認しておきましょう。
最後に、新旧取引条件の大きな違いは危険負担にあります。FOB・C&F(CFR)・CIFを使用する場合は、運送人に貨物を引渡した後も本船の欄干を越えるまでの危険負担が売主に残ることを認識しなければなりません。
2026年現在、コンテナ輸送が主流となった現代の国際物流においては、FOB・CIFよりもFCA・CIPの使用が国際商工会議所(ICC)によって推奨されています。しかしながら、取引慣行・銀行・信用状の要件によって旧来の条件が使われるケースも依然として多く、どの条件を使用するかは取引先・金融機関・保険会社と十分に協議した上で決定することが重要です。
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