海外営業の特徴の一つとして、会いたい相手にすぐに会えない、連絡がつかないことが多いということがあります。何せ距離が遠いですし、通信にはコストがかかり、言葉も違います。その分、通常のコミュニケーションにおいて、前提を合わせることがとても大切になります。また、同じ部門の人たちとは、なるべく感性(ノウホワイ)を合わせておく必要があるのです。
2026年現在、ZoomやSlack・WhatsAppなどのツールにより物理的な距離のハードルは大きく下がりました。しかし、ツールでつながれる距離が縮まった分、「前提のすれ違い」が生み出すトラブルは、むしろ増えているとも言えます。オンラインでは表情・空気感が伝わりにくく、誤解が生じやすいからこそ、前提を丁寧に言語化する習慣が海外営業パーソンには不可欠です。
人である以上、点の情報が集まれば、それを線で結びたくなるのは当たり前です。それが脳の機能だからです。しかしその線が、想像力の一部であることを知らなければなりません。ビジネスで言う仮説です。
例えば、、
運動会の前に笑っている子がいます。
運動会の前に泣いている子がいます。
その点の情報を集めます。
明日運動会
外は雨
子供が笑っている
子供が泣いている
人は空白を埋めるため線でつなごうとします。
この子は明日運動会が中止で嬉しくて喜んでいる。
あの子は明日運動会が中止で悲しくて泣いている。
それは事実であると錯覚しがちですが、仮説です。
よく見れば、そこに1つの事実がありました。
笑っている子は3分前に親にほめられた。
泣いている子は3分前に親にしかられた。
前提条件が変われば、答えが変わります。
仮説も当然、変わりますね。
2026年現在、ChatGPTなどのAIツールは膨大な情報から瞬時に「答え」を導き出します。しかし、AIが提示するのもあくまでも仮説です。現地の商習慣・人間関係・文化的背景という「前提条件」を正しく入力しなければ、AIの出力も的外れなものになります。情報を集め、前提を確認し、仮説を検証する習慣は、AI時代においてこそ、海外営業パーソンの最大の武器になります。
取引先・関係者の文化・言葉、それだけではありません。同じ会社の社員でさえ、その感覚は異なってきます。前提を合わせること、まずはできるだけ多くの情報を集め、引く線は1本1本確認しながら引く。導かれたものは仮説です。それを現実にするには共通用語を作る。ひとつひとつ丁寧に、信頼関係を保ちながら全体像を捉え、各論に。
オンライン商談・チャット・メールが飛び交う2026年現在、情報の量は増えても、その「解釈のすれ違い」は減っていません。むしろ、テキストコミュニケーションが増えた分、行間を読む力・前提を確認する粘り強さが、海外営業パーソンの真の実力差を生み出しています。すれ違いを恐れず、しかし、すれ違いを放置せず。丁寧なコミュニケーションの積み重ねこそが、海外営業の本質です。
Copyright © 1997-2025 Personal Business Brains Consulting Office All rights Reserved.