海外営業のスタイル

海外常駐、国内勤務、出張専門、内勤営業、また、新規開拓中心か、既存顧客のルートセールスが中心か、海外営業のスタイルは更に細分化されます。会社の規模や取扱い商品、業務によって海外営業のスタイルは無限に存在します。

基本が事務所にいる内勤営業である場合

通常は社内にて、メールでのコレポンから、出荷指示(中小商社の場合はメーカーへの見積り依頼や発注などまで)、書類の作成など、輸出の段取りを主とする営業スタイル。2026年現在、ChatGPTなどのAIツールを活用した英文メール作成・翻訳・書類作成が内勤営業の標準スキルになりつつあります。

ルートセールス中心の場合

安定取引先があるため、基本的には納期管理・出荷対応・メールで新製品・サービスを案内したり、日本に来る顧客をアテンドしたりする。年に数回の短い出張があったりする。2026年現在、ZoomやGoogle Meetによる定期オンライン商談が定着しており、出張頻度を抑えながら関係を維持するスタイルも一般的になっています。

新規開拓中心の場合

ジェトロのマッチングサービスやアリババなどのプラットフォームを利用したり、展示会に出展しての反響営業中心になる場合が多い。2026年現在、LinkedInを活用したダイレクトアプローチや、オンライン展示会への出展も有力な新規開拓手段として定着しています。国内取引先経由タイプの場合は国内を営業するケースもある。

基本が短期出張での客先訪問である場合

短期出張にて訪問・打ち合わせ・各国で展示会参加などを繰り返す営業。日本滞在時には生産工場との打ち合わせ・調整・手配・広告業務・来日した顧客のアテンドなどを行なう。

ルートセールス中心の場合

既存の顧客や代理店・店舗などを訪問し、各種報告・情報交換・打ち合わせを行う。接待も多い移動が多くなる上に不規則で体力的にきついが、精神的には比較的楽なスタイル。2026年現在、訪問とオンライン商談を組み合わせたハイブリッドスタイルが増えており、出張コストの最適化が求められています。

新規開拓中心の場合

マッチングサイトや展示会を利用したり、サンプルやDMを配送したりする反響営業の場合が多い。代理店取引を行う場合に多いスタイル。LinkedInでの事前アプローチと組み合わせることで、出張中の商談効率を大幅に高めることができます。

基本が長期出張での客先訪問である場合

海外拠点等に長期出張し、周辺国に営業するスタイル。留守番中のスタッフが出張中の営業員をフォローするので現地での自由度が高く、新規開拓にも適したスタイル。

ルートセールス中心の場合

受注までに時間のかかる製品を取り扱う場合、また、商慣習として、顔を出して、ヒザを付き合わせてが大切なアラブ諸国への営業、地理的に遠い欧州・南米などへの営業が多い。オンライン商談が普及した現在でも、中東・アフリカ・南米では対面での信頼構築が契約の決め手になるケースが依然として多く、このスタイルの価値は健在です。

新規開拓中心の場合

大型のプロジェクトや、新規国への進出・出店・立ち上げなどから、ドブ板飛び込み営業まで様々。海外営業の醍醐味を最も味わえるスタイルかもしれない。2026年現在、事前にLinkedInやSNSでターゲット企業・担当者をリサーチしたうえで訪問するスタイルが主流となっており、飛び込み営業の精度と効率が格段に高まっています。

基本が現地駐在での客先訪問である場合

いわゆる駐在員として現地生活をしながら国内営業を行なうスタイルです。きめ細いサポートが可能になる代わりに、人件費が高コストになるため、会社の戦略動向に注視が必要。2026年現在、渡航・生活コストの高騰と現地人材の採用コスト上昇により、駐在員の費用対効果の検証はこれまで以上に重要なテーマとなっています。

ルートセールス中心の場合

いわゆる国内営業と同じなので、そのお国柄によって労働スタイルを大きく変えながら日本に合わせなくてはならない。満員電車がない、環境が良い国だとそれなりに良い生活。一方、2026年現在は現地の物価上昇・治安情勢・政治リスクを十分に加味したうえで、駐在国を選定することが求められます。

新規開拓中心の場合

現地スタッフとタッグを組んでのドブ板営業など、新規事業の立ち上げには苦労が伴う。発展途上国では役人への袖の下係りなどの汚れ役を引き受けなくてはならないことも。2026年現在、日本企業に対する外国公務員贈賄防止規制の適用は年々厳格化されており、「現地の慣習」を理由に一線を越えることは許されない時代です。コンプライアンスの基準を明確に持ったうえで現地に臨みましょう。

自分に合ったスタイルで勝負しよう!

海外営業にはこの他にも様々なスタイルがあり、どのスタイルの営業を行うかにより経験、スキルといったキャリア形成がかなり変わってきます。自分の目標・目的に合ったスタイルにすることで、パフォーマンスレベルを向上させることができます。2026年現在、AIツール・オンライン商談・SNS活用など、海外営業パーソンに求められるデジタルスキルは急速に広がっています。しかし、どれほどツールが進化しても、現地に足を運び、相手の目を見て信頼を築く力こそが、海外営業の本質的な競争力であることに変わりはありません。