中国リスク

中国は製造市場から販売市場にその役割を転換しつつあります。2026年現在、その転換はさらに加速しており、国内消費市場としての中国の重要性は増す一方で、米中対立・規制強化・脱中国サプライチェーンの動きが複雑に絡み合う時代になっています。進出・撤退と、そのリスクを検証する機会は多いと思われます。中国への製造のための進出、その場合には委託加工現地法人設立があり、EMS企業への委託加工(中国にある外注組立工場など)がリスクが低く撤退も容易であり、現地法人の設立はリスクが高いと言えます。

乱暴ですが・・・中国ビジネスを簡単にまとめると

  • 中国企業が外国企業と取引する為には、輸出入のライセンスが必要
  • 外資が中国国内で製品や商品を販売する場合にも、その事業活動のライセンスが必要
  • 外資の生産型企業は輸出入権を持ち、自社製造製品を中国国内で販売できる
  • 外資が他社の商品を販売する為には、中国国内で商品の販売ができるライセンスが必要
  • 中国企業が外国から輸入する際には、輸入関税・輸入増値税が課せられる
  • 中国企業が中国国内で製品や商品を販売する際には、増値税が課せられる
  • 2026年現在、データセキュリティ法・個人情報保護法・外商投資法など、外資規制の法整備が急速に進んでおり、最新の規制動向の把握が不可欠です

中国貿易には2種類ある

一般貿易

  • 材料を輸入し、製品を輸出する
  • 材料の輸入時に、輸入関税・および増値税を支払う
  • 輸出時に支払った増値税の一部が還付される
  • 国内販売が可能

加工貿易

  • 外国企業と中国企業の間で委託加工契約を締結する
  • 輸入関税・および増値税が保税扱いとされる(当局の認可要)
  • 国内販売は原則不可

2026年現在、加工貿易をめぐる中国当局の規制・監督は強化されており、対象品目・保税条件・輸出義務の確認を最新情報で行うことが求められます。また、米国の対中輸出規制強化により、特定の技術・部品を含む製品の加工貿易については事前の法務確認が必須です。

加工貿易(契約)には4種類ある

加工貿易は単なる契約関係であるためリスクは小さめです。(製造に関するものに限ります。)一定の手続きや保証金の積立程度で済み、撤退も契約の解消だけで済む場合が殆どです。

来料加工(関税・増値税メリットあり)

来料加工とは、外国企業が無償で生産に必要な材料・設備を無償支給し、中国の加工業者が組立て・加工を行い、加工された製品は全て輸出し、その加工賃を取得する取引のこと。中国国内販売が出来ない、将来が不明瞭、また、香港企業を利用している場合、日本の法人税制におけるタックスヘイブン税制の適用を受けるなどのデメリットがある。

進料加工(中国国内販売が可能)

進料加工とは、中国企業が外国企業から材料を購入し(外国企業が有償で材料を支給)、生産した製品を外国企業に販売(有償で引き渡す)すること。輸入関税・および増値税は保税扱い。

来様加工(一般的でない)

来様加工とは、中国企業から提供されたサンプルや仕様書に従い、材料を中国国内で調達し、製品を外国企業に輸出すること。

来件加工(一般的でない)

来件加工とは、中国国内で海外からの物品の組立てを行い、外国企業が組立て後の製品を受け取り、組立賃を払うこと。

現地法人の設立

皆様の会社は、中国拠点をお持ちですか? 現地法人はリスクが高いですが、中国攻略には必ずと言っていいほど必要になります。法人の設立はリスクが高い形態になりますが、長期的・安定的・規模の拡大を考慮すればメリットがあります。しかし撤退は大変です。

そして、これまで合弁の形で現地パートナーと共同で会社を設立するケースが多くありましたが、ノウハウを盗まれたり、経営上のトラブルも相次ぎ、最近では独立資本(100%出資)での会社設立が増えています。金融危機以降は韓国企業などは夜逃げも多いと聞きます。ブラックリストに載れば、もう中国には戻れません。

2026年現在、中国からの撤退・事業縮小を検討する日系企業が増加しています。しかし、現地法人の清算・撤退手続きは極めて複雑で長期間を要するケースが多く、「撤退したくてもできない」という状況に陥る企業も少なくありません。進出時から撤退シナリオを想定した法人形態・契約設計を行うことが、2026年の中国ビジネスにおける最重要課題の1つです。また、米中対立の影響で、中国拠点を持つことが第三国との取引において制約を受けるケースも出てきており、サプライチェーン全体を俯瞰したリスク評価が求められます。