MTAベトナム出展で広げる産業部品商談と現地確認の要点

2026年6月8日時点でベトナム向けの産業部品商談を考えるなら、展示会出展は単なる名刺交換の場ではありません。ジェトロはMTA Vietnam 2026にジャパン・パビリオンを設置し、ベトナムやASEAN市場への販路開拓を支援すると発表しました。サプライチェーン再編の中で、裾野産業や産業高度化への関心も高まっています。

ただ、展示会に出れば自然に受注できるわけではありません。現地企業が知りたいのは、技術のすごさだけでなく、納期、保守、少量対応、代理店の有無、現地で困った時の連絡先です。ベトナム商談では、展示会前に確認質問を決めておくことで、帰国後の見込み案件が残りやすくなります。

展示会前に決める商談対象

誰に売る部品か

産業部品の商談では、製造業全体を狙うと話が広がりすぎます。まず、装置メーカー向けなのか、工場の保全部門向けなのか、商社や代理店向けなのかを分けます。同じ部品でも、相手によって聞かれることは変わります。

装置メーカーなら図面対応、量産時の品質管理、設計変更への対応が重要です。保全部門なら短納期、交換手順、在庫の持ち方が重要です。代理店なら価格体系、最低ロット、技術問い合わせの窓口が重要になります。

展示品に添える説明

展示品には、用途、対応する設備、交換頻度、納期目安、現地で確認したい条件を短く添えます。日本語資料だけでなく、英語または現地で使える表現を用意します。難しい技術説明より、来場者が自社設備に当てはめやすい言葉が役立ちます。

展示品は見せるためだけではなく、来場者から具体的な設備名や困りごとを聞き出す道具です。営業担当者は、展示品ごとに聞く質問を一つ決めておきます。

現地で聞く五つの質問

需要の温度感を測る質問

商談では、まず用途を聞きます。この部品はどの工程で使うのか、今はどこから買っているのか、困っているのは価格か納期か品質か。ここを聞かずにカタログ説明を続けると、見込み度が分からないまま名刺だけが増えます。

次に、交換周期、年間数量、希望納期、技術確認の担当者、輸入者の有無を聞きます。すべての質問を一度に聞く必要はありませんが、商談メモには最低限この五つを残します。

代理店候補への確認

代理店候補には、販売先の業種、既存取扱品、技術サポート体制、在庫を持てるか、代金回収の方法を聞きます。「売れそうです」という言葉だけでは判断できません。どの顧客に、どんな用途で、どの数量を売る想定かまで確認します。

代理店を急いで決めると、価格だけを下げる商談になりやすいです。最初は専任契約ではなく、対象部品と対象顧客を絞ったテスト販売にするほうが、双方の負担を抑えられます。

帰国後に残す見込み案件

名刺ではなく案件表

展示会後に困るのは、名刺は多いのに、次に何をすればよいか分からない状態です。帰国後すぐ、会社名、担当者、用途、対象部品、数量感、希望納期、次回回答日を案件表にします。温度感は、A、B、Cのような簡単な分類で構いません。

A案件は図面や写真を受け取ったもの、B案件は用途が明確なもの、C案件は情報収集中のものに分けます。この分類があると、技術部門や購買部門へ相談する順番を決めやすくなります。

初回フォローの書き方

初回フォローでは、展示会で話した内容を一つ入れます。「御社の組立工程で使う治具について伺いました」のように、相手が話したことを戻します。資料を添付するだけのメールより、相手の課題を覚えていることが伝わります。

メールでは、次に確認したいことを三つまでに絞ります。図面、使用環境、希望数量などです。質問が多すぎると返信が止まります。まず案件を前に進めるための最低限の情報を集めます。

今日から作る出展準備

営業と技術の共通メモ

出展前に、営業と技術で共通メモを作ります。対象部品、用途、強み、使えない条件、確認が必要な図面、回答できる納期、回答できない条件を1枚にまとめます。これがあると、現地で聞かれても担当者ごとの答えがぶれにくくなります。

ベトナム市場では、価格だけでなく、現地で安定して使えるか、困った時に相談できるかが見られます。MTA Vietnamのような展示会を商談に変えるには、展示前の質問設計、現地での聞き取り、帰国後の案件表までを一つの流れにしておくことが大切です。

関連記事

近いテーマを続けて確認したい方は、次の記事も参考になります。