トランプさんの関税作戦、思ったより早くつまずいた話

アメリカ

「関税をかければ中国は困るはず」──そんな考えで始まった、トランプ前大統領の“強気な関税作戦”。でも結果はというと…うまくいきませんでしたね。

そもそも、トランプさんやその支持者の多くは「中国に関税をかければ、その分の負担は中国がする」と思っていたようです。でも実際には、その関税分って、アメリカの会社や消費者が払うことになるんです。スーパーの商品が高くなるのも、iPhoneの価格が上がるのも、こうした影響の一部です。

この作戦がうまくいかなかった理由は、アメリカと中国の“貿易の中身”を見ればすぐに分かります。アメリカが中国に売っているのは、主に食べ物(小麦や大豆など)。でも中国からアメリカに来るのは、スマホやパソコンに使う大事な電子部品たち。

つまり、アメリカが中国からの輸入を止めると、AppleのiPhoneをはじめとした製品が作れなくなってしまうんです。反対に、中国はアメリカの農産物を他の国(オーストラリアなど)から買えばOKなので、そんなに困らないんですよね。

「金利を下げろ」とも要求

さらにトランプさんは、最近FRB(アメリカの中央銀行)に「金利を下げろ」とも要求しています。でもそれをやると、物価が上がって“インフレ”になります。過去にバイデン政権のインフレを批判してたのに、自分が同じことをしようとしているなんて…ちょっと矛盾してますよね。

実際、今回の「関税を緩めましょう」という合意が出たことで、中国は「自分たちの勝ちだ」と思っている様子。アメリカが一歩引いた形になったからです。その発表があったとたん、日本とアメリカの株価もグッと上がりました。

今回のことで、はっきりしたのは「強引な関税作戦では勝てない」ということ。そして、中国はしたたかで、状況をうまく読んで動いているということです。

関税戦争のスタートラインでつまずいたアメリカ。トランプさんの思い描いたシナリオとは、かなり違う結果になったのではないでしょうか。