個人が輸入ビジネスを始める際の注意点~小口輸入・個人輸入の違いなど
最近は円安傾向で、どちらかと言えば輸出取引の方が勢いがある感覚がありますが、個人事業主の方や、副業サラリーマンを中心に、海外から商品を輸入して日本国内で販売する、主にヤフオクやAmazonなどを利用した転売ビジネスも盛んになっています。
もちろん、個人に限らず、中国や東南アジア諸国で製品を生産して、日本で転売をしている、法人が経営しているネットショップなども、たくさん存在しています。
日本では、原則的に海外から商品を輸入して、自由に販売することができます。
但し、何でもやって大丈夫ということではありません。
輸入することが禁止されている物もあれば、輸入はできるけれど許可が必要であったり、検査が必要であったり、様々なルールが定められていますので、事前に確認してください。
輸入ビジネスを始める際には、まずどのような商品を輸入するのかを決めなくてはなりません。
そして、商品が決まったら、その商品が輸入して大丈夫な物なのか、規制がないかどうかを確認する必要があります。
輸入できないものとしてどのような物があるかと言えば、「関税法」に基づく輸入禁制品、例えば、麻薬や拳銃、ポルノなどがあり、その他にも、「外国為替及び外国貿易法」による輸入規制品、そして、ワシントン条約で保護されている動植物などにも規制があります。
それら以外にも、「食品衛生法」「薬事法」「植物防疫法」「家畜伝染病予防法」などの様々な国内法令により、検査が必要であったり、輸入が制限されているものが多数ありますので、必ずチェックをしてください。
チェックの方法は、税関に問い合わせをするのがいちばん簡単です。
税関のホームページには、すべての情報が記載されています。
それらを見ても理解できない場合には、税関相談官に相談することもできます。
小口輸入とは何か?
小口輸入とは、Amazonでの輸入販売などがそれにあたりますが、いわゆる個人輸入とは違います。
個人輸入は、その商品を自分で使うことが前提になっています。
対して小口輸入は、第三者に転売(販売)することが目的で少量を輸入するという意味になります。
販売することが目的なので、輸入者として様々な責任が生じます。
小口輸入はとてもお手軽なので、個人の副業や主婦のお小遣い稼ぎなども含めて、急速に普及し始めています。
主にEMSを利用し、クレジットカードやPAYPALを利用して支払えば、個人でもそれほど負担なく始めることができるからです。
海外のショッピングサイトには、日本国内での販売価格と差がある商品が散見されます。
それらをリサーチし、輸入転売するのがこのビジネスの特徴です。
e-bay、amazon、タオバオ、様々なサイトで日本人バイヤーがリサーチ競争を繰り広げています。
輸入時には、特に中国からの輸入ともなれば、品質や納期の管理は困難を極めることも予想されますが、それでも、現地の企業と提携をして、あるいは現地の企業と提携している日本企業と契約をして、小口輸入を行う人も増えています。
小口輸入と個人輸入は何が違うのか?
個人で輸入するものは個人輸入と勘違いしている方が多いのですが、販売目的で輸入をする場合には、少量であっても業務輸入となります。
それを小口輸入と呼びます。
繰り返しになりますが、小口輸入は販売目的での取引、個人輸入は自分で使うことを目的とした購買、ということになります。
小口輸入はあくまでも、様々な法規制の対象となる輸入業務です。
個人輸入で輸入したものは、第三者へ販売したり、配布したりすることは、原則として認められていません。
小口輸入で輸入され、転売される商品に関しては、輸入時に様々な法規制に基づく手続きが必要になります。
商品によっては、事前の許可や届け出が必要であったり、輸入ごとに毎回承認が必要な商品もあります。
これらは税関で確認しください。
さらに、日本国内での販売時には、義務付けられた表示をしなければならない商品もあります。
特に注意する必要があるのは、製造物責任法(PL法)です。
PL法はメーカーに対して規制をする法律ですが、輸入品に関しては輸入者が日本でのメーカー扱いになります。
つまり、何かが起こった際には、輸入者が賠償責任の義務を負うことになりますので、万一に備えてPL保険に加入しておくなどの対策をたてておきましょう。