海外商談で英語に詰まったら、何を確認して持ち帰る?

海外の顧客に納期を聞かれ、英語の返事がすぐに出てこない。分かったつもりで「Yes」と答えた後、社内ではその日までに出荷できないと分かる。困るのは発音の失敗より、確認していない条件を約束してしまうことです。商談では、聞き取れなかった点を聞き直し、自分では決められない条件を持ち帰り、いつ返答するかを伝えるところまでを一つの仕事にします。

商談中の確認と持ち帰り

聞き取りと社内承認の区別

例えば顧客が「金曜日までに必要」と言った時、まず確認するのは、金曜日が出荷日なのか、顧客の倉庫へ届く日なのかです。単語は聞き取れていても、この違いを確かめなければ納期の返事はできません。聞き取りに自信がない時は、日付や数量をチャットに書いてもらう方法もあります。

英語の返事に迷っても、まだ決まっていない条件は約束しません。聞き取れた内容と、会社として承認できる内容は別です。価格や納期をその場で決める権限がなければ、英語力にかかわらず社内確認が必要になります。

担当する相手や決裁の場所は、海外営業タイプ別の仕事内容と向き不向き・難易度と会社選びでも説明しています。

社内へ渡す商談メモ

分からないことを全部「確認します」で終えると、社内で何を調べるべきか分からなくなります。顧客の希望と未確認の条件を、次のように書き分けます。数字の例は説明用です。実際の商材と取引条件に置き換えて使ってください。

顧客の発言その場で聞くこと持ち帰って確認すること
金曜日までに欲しい出荷期限か到着期限か。届け先はどこか在庫、出荷作業、輸送日数から約束できる日
100個なら安くなるか一度に100個か、複数回の合計か数量ごとの価格、値引きを決める人
今の製品と同じ仕様がよい同じにしたい型番・寸法・性能は何か製品の適合、変更可能な範囲、確認担当
サンプルを送ってほしい必要数、用途、届け先サンプル代、送料の負担、発送できる時期

メモには「顧客の希望」「営業担当の回答」「未回答」を分けて残します。例えば「金曜着を希望。納期は未回答。物流担当へ確認」と書けば、希望日が確定納期へ変わることを防げます。社内で確認が取れたら、回答欄だけを更新します。

聞き返しと返答保留の英文例

長い英文を覚えるより、何を確認したいかに合う短い文を用意します。以下はこの記事の文例で、契約条件を定める文ではありません。

  • 聞き取れなかった時:Could you say that again?(もう一度言っていただけますか?)
  • 日付を文字で確かめたい時:Could you type the date in the chat?(日付をチャットに書いていただけますか?)
  • 社内確認が必要な時:I need to check with our team.(社内で確認する必要があります)
  • 確認状況の連絡日を伝える時:I’ll send you an update tomorrow.(明日、確認状況をご連絡します)

聞き直した後は、自分の理解を日本語のメモへ残し、必要なら顧客にも短く言い直して確かめます。日付だけでなく、「どこへ届く日か」「何個の価格か」まで一致しているかを確かめます。英語で説明するのが難しい条件は、表や製品図面を画面に出して指し示す方法も使えます。

返答を持ち帰る時は、確認先と返答予定を伝えます。ただし、社内の担当者が不在なのに「今日中に回答」と約束すると、その約束も守れなくなります。確定回答の期限が読めない場合は、まず進捗を連絡できる時刻を決めます。顧客には、その連絡が回答なのか、確認状況の報告なのかも伝えます。

商談後の連絡と次回の準備

未回答の条件を伝えるメール

口頭の会話を思い出して、見積書へすぐ反映するのは避けます。商談メモと顧客のメールを見比べ、数量、仕様、納期の希望が同じか確認してから社内へ渡します。希望日を納期欄へ転記する時には、未承認と分かるようにしてください。

メールには、何の確認が残っているかを先に書きます。「商談ありがとうございました」だけでは、顧客は次に誰を待てばよいか分かりません。例えば「100個のご希望について、在庫と出荷日を確認しています。明日、確認状況をご連絡します。納期はまだ確定していません」のように、対象と現在の状態を明記します。

別の製品や前回の条件が混ざらないよう、件名や本文の最初に商談で使った型番を置き、顧客から受け取った図面があれば版を確かめます。メールの宛先は商談相手とし、社内の確認担当にも同じ条件が届くようにします。顧客の希望が変わった場合は、変更した部分が分かる形で確認し直します。

ジェトロは、海外ビジネスお役立ち資料で商談前後の英文メールや見積書のひな型を公開しています。文例を借りる時も、数量や納期など、自分の会社が確認していない条件を埋めて送らないようにします。

次の商談に用意する資料と回答権限

商談後、聞き直した内容と持ち帰った内容を上司と見返すと、次に用意する資料が分かります。製品の基本仕様は資料で答えられるようにし、値引きや納期は自分が決めてよい範囲を確認します。毎回同じ質問を持ち帰っているなら、その回答を資料に加えると次の商談で使えます。

英文は、価格・納期・仕様を一度に長く説明するより、一つずつ確認する方が取り違えを見つけやすくなります。通訳や翻訳の支援を受ける場合も、取引条件を決める担当は明らかにしておきます。次回は、答えられなかった質問に必要な資料と、返答を頼む社内担当の名前を手元に置いて商談に入ってください。