翻訳会社に出す見積依頼の原稿量・納期・修正条件

翻訳会社に見積を頼む時、安さだけを先に比べると後で修正費や納期の話がずれます。見積条件を合わせるには、渡す原稿量と使い道を先に書き出します。

海外顧客向けの資料は、会社案内、価格表、仕様書、メール文で確認する点が違います。社内の確認材料を一枚にまとめてから依頼すると、見積の返答を比べやすくなります。

見積依頼前の整理

見積前の原稿量・納期リスト

見積を依頼する前に整理するのは、原稿量、納期、修正条件、秘密管理です。翻訳会社の見積で、費用と作業範囲を同じ基準にするためです。

  • 原稿量: 文字数、ページ数、図表、画像内文字、差し替え予定を分けて書く
  • 納期: 初稿希望日、社内確認日、顧客送付日、急ぎ対応の要否を置く
  • 修正条件: 用語修正、表記統一、追加原稿、再入稿の扱いを決める
  • 秘密管理: NDA、顧客名の伏せ方、図面や価格表の送付方法を確認する

法人向けの安い翻訳会社の選び方を読むと、翻訳会社を比べる時の費用と品質の見方を押さえられます。ここでは、その前段階として、見積依頼に出す情報を整えます。

原稿量は、PDFのページ数だけでは足りません。図表の中に文字があるか、画像化された注記があるか、価格表の単位を変える必要があるかで、作業量は変わります。

納期は、翻訳会社が納める日と顧客に送る日を分けます。社内の製品担当や法務が見る時間を入れないと、初稿が届いてから慌てることになります。

修正条件は、言葉の好みと内容変更を区別します。用語統一や誤字の修正は翻訳作業に近い一方、原稿の追加や表の作り直しは別費用になりやすい部分です。

秘密管理も先に決めます。価格表、顧客名、図面、未発表品番が入る資料は、送付方法と閲覧範囲を社内で決めます。ファイル名だけ匿名にしても、中身で相手先が分かる場合があります。

社内用語は、翻訳会社任せにしない方が安全です。品番、部門名、製品シリーズ、単位、保証期間は、過去に使った英語表記があるかを洗い出します。表記がない語は、カタカナのまま残すのか、説明語を添えるのかを決めます。

見積依頼は、翻訳会社を試す作業ではなく、社内の原稿状態を外から見える形にする作業です。同じ条件で頼めば、安い見積と危ない見積を分けて見られます。

依頼後の社内共有

社内共有リスト

このリストでは、担当者、確認資料、判断日、顧客送付形態を同じ表に置きます。翻訳会社から返答が来た後に、営業担当者だけで判断しないためです。

  • 担当者: 製品、法務、経理、営業の確認者を先に決める
  • 確認資料: 原稿、用語集、過去訳、価格表、図面の最新版をそろえる
  • 判断日: 発注判断、初稿確認、最終確認、顧客送付の日を分ける
  • 顧客送付形態: PDF、編集可能ファイル、メール本文、印刷物のどれかを決める

海外営業に必要な知識の範囲には、語学力だけでなく、契約、物流、価格表の扱いも入ります。翻訳依頼でも、資料の使い道を営業側が説明できるかが重要です。

見積額が安い場合は、どこまでが含まれているかを見ます。用語集の反映、表の体裁調整、修正回数、急ぎ対応、ネイティブ確認の有無を同じ行で比べます。

急ぎの案件では、全部の資料を一度に訳すより、顧客が次に判断するページから進める方法もあります。会社案内、製品概要、価格表、仕様書の順番を決めれば、費用を抑えながら商談を止めにくくなります。

原稿がまだ固まっていない時は、翻訳会社に途中版であることを伝えます。確定済みのページ、後で差し替えるページ、社内確認中の数字を分けると、再作業の扱いを相談しやすくなります。

価格表を訳す案件では、単価、通貨、税別・税込、最小注文数、価格有効期限を読み合わせます。数字の桁区切りや単位が変わるだけでも、海外顧客の受け取り方は変わります。

仕様書を訳す案件では、専門用語だけでなく、測定条件や試験方法も製品担当と見ます。製品担当が見るべき箇所を先に印を付けておくと、翻訳後の読み合わせが短くなります。

営業資料を複数言語に広げる予定があるなら、今回だけの訳語にしないようにします。英語版を基準にして、中国語、ベトナム語、タイ語などに展開する可能性を社内で伝えます。

展示会や入札に使う資料では、締切の種類も分けます。翻訳会社の納品日、社内承認日、印刷日、提出日を別々に置くと、急ぎ料金を払うべき部分が見えます。再提出の予定も合わせて確認し、予備日を一日置きます。担当者名も残します。

顧客に送る前には、数字、単位、品番、保証期間を読み合わせます。翻訳の自然さだけを見て、価格や数量の誤りを見落とすと、営業側の説明責任が残ります。

最後に、翻訳会社に渡した原稿、返ってきた見積、社内で直した用語を保管します。次回から同じ説明を繰り返さず、見積条件を短く出せるようになります。確認日も残します。

翻訳会社に出す見積依頼は、価格比較だけで終わらせないことが大切です。原稿量、納期、修正条件を先にそろえると、顧客に出す資料の品質と納期を同時に守れます。